データを中心に物事を考え、社会を理解する

先端情報領域プログラムの特色

「先端情報領域プログラム」では、サイバー空間や実世界でさまざまなデータが生成され、流通する「ビッグデータ時代」において、データに関わる「生成」、「分析」、「処理」の観点からデータの利活用をひも解くデータセントリックな方法論を学んでいきます。

計算機・システム動作、ソフトウェアの振る舞い、セキュリティログ、フェイク音声・画像、創作物(文学、音楽、絵画)、行動ログ、社会現象(自然災害、流行、疫病他)などの幅広いデータを対象に、データの倫理的側面も理解した上で、データを扱える人材を育成していきます。

Pick Up

ビッグデータとは

ビッグデータとは、さまざまな分野で得られる多様な形式の巨大データ群のことです。テクノロジーの急速な進歩により、これらデータが比較的容易に「収集」、「蓄積」、「加工」できるようになりました。例えば、電車の改札口でICカードをタッチする、GPS(Global Positioning System)を利用して移動する、ネットショッピングで商品を購入する、といった場合を通して収集されたデータが、混雑緩和や道路計画、商品企画などの用途で、個人情報保護に配慮しながら利用されています。

データセントリック(Data Centric)とは

ビッグデータの時代にあって、世の中にあるさまざまなデータを収集した上でノイズのない本質的なデータを抽出あるいは生成し、そこから分析を進め、課題解決に活用していく。このように、データを中心にすえて処理やモデルを扱う考え方のことを言います。
データセントリックな方法論を身につけることで、データそのものの意義や価値を対象問題の視点から見極める能力を有する「データサイエンティスト」としての素養を身につけていきます。

4年間の学び

データセントリックな方法論を体得する

1・2年次

「基礎」、「データ処理基盤」、「データ分析基盤」、「統計処理」に関する科目群を履修して本プログラムでの学びに必要な基礎的知識を修得していきます。

3・4年次

「計算機科学科」または「システム数理学科」に分かれて研究室に所属します。また、「データ生成基盤」、「人工知能」に関する科目群も履修して発展的知識を修得していきます。最終的には、サイバー空間や実世界で生成され、流通する幅広いデータの「生成」、「分析」、「処理」に関するデータセントリックな方法論を修得していくことを教育目標としています。本プログラムでの学びを通して、データセントリックな方法論の視点から、プログラミングやデータ処理全般の専門分野に精通した人材を育成していきます。

Pick Up 授業

機械学習

コンピュータに、脳のような学習機能を入れていく

機械学習では、機械(コンピュータ)に人と同じような学習機能を実現するためのモデルと計算アルゴリズムを学びます。人がこれまでの経験をもとに色々と行なっている学習に関して、基本となる「教師あり/教師なし/半教師あり(強化)学習」の考え方と代表的アルゴリズム、さらに「次元削減や転移学習」といった発展的内容に触れていきます。

オブジェクト指向プログラミング

「オブジェクト指向」とは、プログラミング作業の効率性を高める重要な考え方のひとつで、オブジェクト指向プログラミングは現代の先進的アプリケーション開発において一大潮流をなす技術です。先端領域におけるより実践的なプログラミングに必要となる知識や技術の根幹となるため、自力で簡単なプログラミングができるようになることを目標としています。

先端情報領域プログラムの教員紹介、
研究室紹介はこちら

卒業後の進路

論理的思考力を生かして情報産業などで活躍

4年間の学びで培った情報の基礎知識や問題解決能力を生かして、情報分野の産業を中心とした活躍の場があります。流れの早いIT業界では、職業選択においても柔軟に対応できる人材が求められています。具体的には、確固たる専門知識によりシステムやプログラムを構築したり、また、官公庁での政策・方針や企業などでの戦略を決めることもできる「論理的思考力」を持った人材の輩出を目指しています。

進路先例

  • データエンジニア、データサイエンティスト、エンターテイメントエンジニア

在学中の学修により資格試験に向けた準備ができるなど学科との結びつきが強い資格

  • 基本情報技術者、応用情報技術者、情報セキュリティマネジメント(情報処理技術者)、ソフトウェア品質技術者資格、G検定(ジェネラリスト検定)、E資格(エンジニア資格)など
JINDAI CAREERS

大学へ入学し、そして卒業してどんな道に進むのだろう。
4年間で何をすれば自分の描く未来に近づけるのだろう。
JINDAI CAREERSはあなたらしい未来を手にいれるあなたにとっての道しるべです。

求める学生像・受験生へのメッセージ

論理的思考力や原理原則を見抜く力を身につけてほしい

移り変わりの激しい現代において、どのようなことにも臨機応変に対応していくためには、幅広い知識が必要です。そのために、数学を基盤とした情報学部での学びが大切になってきます。情報学部は、パズルや数独などを解いていくことに楽しさを感じたり、とことん突き詰めて考えていったりすることが好きな人には、論理的思考力を高めながら、成長していける場です。

たとえ複雑な問題であっても、論理的思考力や原理原則を見抜く力があれば小さな問題にブレイクダウン(分解)して、問題解決への道筋を立てていくことができるのです。これからの時代を担うみなさんにとっては、経験をしていない未知の状況で新しい価値を見いだし、問題解決していく力が必要になります。

学びの場では、失敗することを恐れずに、失敗した時にはきちんと原因を見極めて、次は同じ失敗をしないという心構えが大切です。大学でたくさん失敗してください。あきらめずに、地道に積み重ねていくことで、道は拓けるはずです。

学生のみなさんには、さまざまなことを「自分のこと」として捉え、自分で考えて、結論を出せる社会人になってほしいと思っています。そして、社会に出たときに「大学で学んだ情報学の基礎や知識、技術が支えになった」と実感できるような教育を目指していきます。

先端情報領域プログラムの特徴

Feature 1

ビッグデータ時代に活躍できる人を育成

日々膨大に生成・記録されるデータ。情報社会で求められるのは、そんなビッグデータに精通したスペシャリスト。本プログラムでは、ビッグデータの利活用を通じて社会に役立つプログラムやシステムを考えられる人を育てます。

Feature 2

3年次から2つの学科に分かれて研究室へ

1・2年次は計算機科学科とシステム数理学科の科目群から設定したカリキュラムで、必要な基礎的知識を修得。3年次からは、計算機科学科またはシステム数理学科に分かれて研究室に所属し、専門知識を深めます。

Feature 3

キャリアについて、幅広く選択できる

3年次から計算機科学科の研究室、またはシステム数理学科の研究室を選ぶことができるので、入学時にキャリア選択に迷いがあっても、1・2年次の学びを通して自分の興味・関心のある分野をじっくり見つけることができます。

Feature 4

新しい分野の学びも積極的に展開

家や電車の中で幅広い層の人々が楽しんでいるゲームやエンターテインメントの世界。本プログラムでは、そんなゲームやエンターテインメント分野にも展開できる学びを用意。ゲーム業界などでの活躍をめざす人にも応えます。

前へ
次へ

主な学修分野

データ処理基盤
「検索」、「収集」、「加工」の処理を中心として、並列化や高速化、さらにクラウド活用の技術を身につけます。
データ分析基盤
「最適化」、「クラスタリング」、「構造同定」などの処理を中心として、さらにデータの潜在特徴量抽出、モデル検証の技術を身につけます。
データ生成基盤
蓄積されたデータをもとに、「類似データ」、「稀少データ」、「発見的データ」を生成するモデルやアルゴリズムの要素技術と応用方法を身につけます。
人工知能・統計処理
「機械学習」や「確率・統計」について、実データに応用する技術を身につけます。

取得可能な資格・免許状

所定の科目の単位を修得することで卒業と同時に(または実務経験を経て)資格などが得られる。
  • 社会教育主事・社会教育士 ※
  • 学芸員
  • 日本語教員
在学中の学修により資格試験に向けた準備ができるなど学科との結びつきが強い資格。
  • 基本情報技術者
  • 応用情報技術者
  • 情報セキュリティマネジメント(情報処理技術者)
  • ソフトウェア品質技術者資格
  • G検定(ジェネラリスト検定)
  • E資格(エンジニア資格)など
  • 本学社会教育課程の修了者は「社会教育士(養成課程)」と称することができます。