化学生命学部は「化学」と「生物学」に関わることをトコトン学べる学部です。例えば日常生活でよく使われる洗剤、化粧品、香料、機能性食品、衛生用品、医農薬品など、身の回りの科学について学べることが魅力の一つです。化学・生物学の分野を融合的に学び、化学現象や生命現象のしくみを知るだけではなく、それを「どのように社会に役立てていくか」という視点を持って、技術開発やモノづくりにつなげていきます。
「応用化学科」と「生命機能学科」のそれぞれのカリキュラムに基づき、資源、エネルギー、素材などの応用化学の分野から遺伝子、タンパク質、動植物生理学などの生命科学の分野まで「広く、深く」学びます。さらに、3年次からは3つのコース(応用化学、生命機能学、環境生活科学)に分かれて、より専門的な分野の学修・研究をしながら、問題発見および解決に向けた実践力を養います。
化学・生物学の分野に関する基礎的および専門的な知識の幅広い学修と、実験技術の修得を通じて、化学・生命機能学の専門家としての倫理観、論理的な思考力、自己表現力、コミュニケーション能力を育み、社会や人々の幸せに貢献できる人材の養成を目指します。
化学生命学部には、工学部物質生命化学科の教員に加え、工学部の基礎教育を担当している化学または生物学を専門とする教員や理学部生物科学科の教員も合流します。生物学の「幅広い多様性を持つ」という学問的特徴と、物質生命化学科のアットホームな雰囲気が融合することで、学生の多様性を尊重し、自主性を育てながら、共に楽しく学修できる環境が整っています。
また、化学や生物学に関係する実験科目が多いのも特徴で、日常から教員と学生が顔を合わせることで、たわいもない雑談をしたり、相談したり、時には議論したりする機会が多くなり、自然と相互の信頼関係が深まります。
「広く深い学び」と聞いて、「無理!」と思わないでください。化学生命学部の学びは、化学、生物学に関わることだけ「広く深く」です。大学4年間で1つの学問を究めると、これまで見えていなかった新しい視点が次々と生まれるでしょう。化学生命学部では、ワクワクするような授業や将来のキャリアに繋がるような授業など多彩な科目を開講しています。
化学、生物学の基礎的な内容を学びます。
自分の興味や好奇心と向き合いながら徐々に専門分野を絞って深めていくことができます。「応用化学科」と「生命機能学科」のそれぞれの専門科目を学びながら興味・関心に応じて、もう一方の学科の授業科目も履修できます。自分の進みたい方向を考えながら、学修を進めることが可能です。「何を履修したらよいか」迷ったときには、進路や研究分野に沿った履修モデルを参考にしてみてください。また、学生一人ひとりに対して、教員が相談に応じるなど、きめ細かい対応・サポートも行っていきます。
4年間の学びの集大成・卒業研究に取り組みます。一緒に研究する教員を選び、取り組みたいテーマを相談しながら決め、共に実験をします。自分のやりたいことを突きつめながら自由に柔軟性を持って研究に取り組むことができます。
学部共通科目として、「化学生命学概論Ⅰ・Ⅱ」において、化学生命学分野や技術分野を概観し、将来の進路の基礎知識を得ていきます。
前学期は「化学生命SDGs論」で、持続可能な社会実現に向けた課題を学修し、将来、化学生命学分野で貢献できる科学技術について考察し、自らの進路決定のモチベーションを得ていきます。
後学期の「化学生命キャリアデザイン」では、化学生命学部の各専門分野と仕事(キャリア)との関係を理解し、自らのキャリアデザインを具体的にイメージしていきます。
実習や研究を究めることで、関連する仕事への理解を深めていきます。また、就職課や外部機関と連携し、インターンシップ、エントリーシート作成、業界・企業研究法、面接対応など、就職活動支援を継続的に実施。学部独自の企業交流会も開催する予定です。
応用化学科では、電池や燃料電池などのエネルギー化学、触媒化学、固体化学、セラミックス・高分子といった材料化学などを扱う「応用化学」を中心に学びます。現代社会に役立つ化学技術を身につけることを目標とし、安全で快適な生活や人類の持続的発展に役立つ研究を通して、社会に貢献する能力を備えた人材を養成します。
この授業では、我々を取り巻くエネルギー問題の現状を理解した上で、化学の力がこの解決にどのように役立つかを考えます。すなわち、化石燃料(石油、石炭)や原子力の化学とそれらにまつわる諸問題を学び、これらを今後どのように利用していくべきかを考える力を涵養します。またバイオマス、太陽光、水素などの益々活用が期待される新エネルギー源や省エネルギー型プロセスに関する化学と将来展望についても学習します。
この授業では、「化粧品」が皮膚や頭髪を健康に美しく保ち、年齢を問わずQOL(生活の質)の維持・向上に役立っていることに基づき、医薬品医療機器等法における化粧品の定義、皮膚・毛髪の基本構造と生理機能、化粧品原料、コロイド界面化学を基礎とした化粧品製剤学、化粧品に訴求される品質(安定性、安全性、使用性、有用性)について学び、化粧品に関わる科学知識を相互に関連付けて理解することを目標としています。
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生命機能学科では、生化学、分子生物学、細胞生物学、遺伝学、タンパク質工学などを扱う「生命機能学」を中心に学びます。生命現象や生体機能について生命科学の視点から学ぶことで、社会における問題を発見し、解決する生命科学の技術を身につけることを目標とし、人々の幸せに貢献できる人材を養成します。
この授業では、主に炭水化物・たんぱく質・脂質から構成されている三大栄養成分以外に、ビタミンやミネラル、色素など食品に含まれる成分の種類や化学構造について理解するとともに、体内におけるはたらきを学修します。また日常生活で親しみのある代表的な食品を取り上げ、その食品学的・栄養学的性質や製造過程について、化学的な視点からも学びを深めます。
この授業では、タンパク質の構造と機能を解析・改変するための技術とその原理を修得することを目的とし、タンパク質・アミノ酸の構造と性質に関する基礎知識を学んだ上で、タンパク質の生産・精製・構造決定法、酵素の触媒としての性質とその速度論的解析、タンパク質改変に必要となる遺伝子工学技術、酵素の機能改変の実例について学びます。
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応用化学コースは、応用化学科から進級します。エネルギー化学、触媒化学、固体化学、材料化学、応用化学など、これまでの学びをより専門的に深め、問題発見および解決に向けた実践力を養い、高度専門職業人を養成します。
生命機能学コースは、生命機能学科から進級します。生化学、分子生物学、細胞生物学、遺伝学、生命機能学など、これまでの学びをより専門的に深め、問題発見および解決に向けた実践力を養い、高度専門職業人を養成します。
環境生活科学コースは、応用化学科および生命機能学科の両学科から進級します。化学あるいは生物学を軸に、それぞれ学んできた学生が一緒に学ぶことによる相乗効果が期待できます。本コースでは、身の回りの化学製品(化粧品、香料、衛生用品、医薬品など)や機能性食品の開発・製造を行う高度専門職業人や環境分析技術者を養成します。
化学・生物系の分野は、身の回りの生活やモノづくり全てに関連しているため、卒業後の進路先も幅広くさまざまな可能性を秘めています。化学生命学部では、将来、持続可能な社会実現やモノづくりの現場で、自分の専門に関わりながらオピニオンリーダーとして活躍できる素養を育み、どのような時代、社会においても人々に必要とされる人材を輩出していきます。
化学やバイオテクノロジー、食品、化粧品、自動車、道路舗装、パッケージなど、各種メーカー研究室の技術者・開発者、企画、技術営業、知財担当者
サイエンスライターや編集者
技術系企業のコンサルタント
中学校・高等学校の理科教員
試験場や研究所を含む自治体などの公務員など
中学校教諭一種免許状(理科)
高等学校教諭一種免許状(理科)
食品衛生監視員(任用資格)、食品衛生管理者(任用資格)、毒物劇物取扱責任者、作業環境測定士、労働安全コンサルタントなど
応用化学科と生命機能学科のどちらを受験しようか迷っています。
例えば、「化学」と「生物」ならどちらが好きですか? 化学が好き、化学のチカラでエネルギーや新素材などを開発したい人は応用化学科、化学も生物も好きな人は食品や化粧品開発など、生活に身近な化学・生物学を学べる生命機能学科がおすすめです。また3年次からはそれぞれの学科の要素を備えた「環境生活科学コース」に進む選択肢もあります。どちらの学科に入学しても学科の枠にとらわれない学びの幅の広さが魅力です。また、入試制度として「同一日程併願」も可能です。
理学部(化学コース・生物コース)と化学生命学部(応用化学科・生命機能学科)での学びの違いは何ですか。
理学部は化学の基本原理、また動植物の生命現象などの知識と科学的思考力を養っていきます。一方、化学生命学部は化学や生命現象をモノ作りに生かし、よりよい社会の実現に貢献をしていくことに違いがあります。
「数学」が苦手です。受験には不利でしょうか。
化学生命学部は「化学」または「生物」が好きであれば、数学がちょっと苦手、という学生もウェルカムです。一般選抜の受験時には「英語」+「数学または国語」、そして「理科」は「物理・化学・生物」の中から選択が可能です(一部日程を除く)。一般入試得意科目型(B方式)では、「理科1科目+英語・数学・国語から1科目選択=2科目」で受験も可能。また「数学」の範囲は数学Ⅲを除いた「数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学B(「確率分布と統計的な推測」を除く)」となっていて文系よりの学生にも学びの道が開かれています。入学後も「数学」の履修なしで卒業することができます。
文系ですが、化学や生物は好きです。入学後、ついていけるかが不安です。
大学での勉強の面白さは、受験用の暗記ではなく課題に対し実験・実習を繰り返し、新たな発見を導くことにあります。まず基礎からスタートしつつ、1年次から実験・実習を開始し4年次には個々の興味に応じた卒業研究を自らの手で行えるよう全教員・そして先輩方が一人ひとりに手厚くサポートします。「面倒見がよくアットホーム」なのが化学生命学部の特徴ですので安心して入学してください。
化学生命学部の特徴、他大学との違いは何ですか?
本学の化学生命学部の特徴は、「化学」と「生物学(生命科学)」に関わる各学科が個別にあるのではなく,これらが融合した教育プログラムや研究領域が用意されている点です。さらに,研究を通じた教育として,卒業研究に力を入れています。学部3年の後学期から研究室に配属され、英語論文を読むなどの準備をして4年から卒業研究を開始します。さらに本学の指導教員は各学会における著名な研究者がそろっており、研究設備も他の国公立大学の学生が測定に来るほど整っている点も特徴としてあげられます。
就職など将来はどういう仕事に就けるでしょうか?
化学や生物の技術分野が関わる産業は多岐に渡っています。そのなかでも、製造業であれば、企業間で材料・素材や技術を提供しているB to B※企業の開発者・技術者を目指すのが1つの選択です。化学生命学部では、低年次からキャリア形成を支援する授業科目を実施しながら、皆さんが将来を考える多くの機会を用意しています。さらに、各学年に応じた就職活動支援のセミナーや企業説明会を開催するなど学部が一体となって学生の皆さんをサポートしていきます。
将来は「化粧品開発」の仕事に就きたいと考えています。どちらの学科が向いていますか?
化粧品に含まれているものは化学品であり、また直接身体(生体)に使用するものであるため、化学分野にも生命(生物)分野にも関わります。そのため、化粧品科学の分野はそれぞれの学科の要素を備えた「環境生活科学コース」に配置されています。このコースは3年次に選択するもので、どちらの学科からも進むことができますので、まずは自分が化学と生物のどちらが好きなのかを考えて学科を選ぶと良いと思います。
どんな資格がとれますか?
化学生命学部に関係する資格には、所定の科目の単位を修得し卒業することで得られるものとして、教員免許状(高校一種理科・中学一種理科)があり、学科の科目に加えて教職課程を履修することが必要です。また、所定科目の単位修得をすることで得られる資格として、食品衛生管理者(任用資格)や食品衛生監視員(任用資格)があります。
大学院に進学した方が良いでしょうか?
多くの学生が学部を卒業して就職しますが、一方で「化学」や「生物」の分野は大学院博士前期課程(修士課程:2年)への進学が多い分野でもあります。大学院では、主に研究を主体としてより高度な知識や技術を修得し、修了後は、研究者や技術者として活躍することが可能です。業種・職種や企業によっては、大学院修了者のみを求人対象としている場合もあります。大学院進学は、入学後にさまざまな分野の話を聞き、実際に4年次の卒業研究を進めてから決めても遅くはありません。
化学生命学部では、化学・生物学の分野に関する基礎的および専門的な知識の幅広い学修と、実験技術の修得を通じて、化学・生命機能学の専門家としての倫理観、論理的な思考力、自己表現力、コミュニケーション能力を育み、社会や人々の幸せに貢献できる人材の養成を目指します。「化学」や「生物学」に関わることをトコトン学べることが特徴で、例えば日常生活でよく使われる洗剤、化粧品、香料、機能性食品、衛生用品、医農薬品など、身の回りの科学について学べることも魅力の一つです。「化学」や「生物学」をトコトン学びたい人に向けて、多様な入試方式を取り揃えています。
Web出願手続きについての詳細はこちらをご覧ください。
Web出願手続きについて全学科にて実施。「化学」や「生物学」分野に強い関心を持つ人や、広く自然科学やモノづくりに興味と熱意を持ち、思考力と向上心を有する人を求めます。
全学科にて実施。自然科学における部活動で顕著な活動をした人など、将来「化学」「生物学」の分野で活躍が期待できる人を求めます。
一般入試前期3科目型(A方式)では、これまでの「別日程併願」に加え、試験日1日程で化学生命学部内併願が可能となる「同一日程併願」を実施
外国語、数学②、国語から1科目選択し、理科とあわせて2科目を受験する
外国語、数学②、国語から1科目選択し、理科とあわせて、2科目を受験する
高校生の段階から、できるだけ実際のモノ(実物)を見たり、触れたり、感じたりすることを大切にしてほしいと思います。化学生命学部は、化学や生物学に興味がある人、好奇心旺盛な人、「実験が好きだ」という人が成長できる場所です。これまで受験勉強や教科書で学んできたバラバラだった知識を実験や実体験を通して関連づけていき、実際に使える技術や知恵に変えていく、それが大学で学ぶ醍醐味です。
化学生命学部に入学して、多様な教員や仲間に出会い、議論を交わし、さまざまな体験を積み重ねてください。「自ら興味を持って学びたいと思えること=面白いこと」が必ず見つかるはずです。ぜひ、化学・生物学という身の回りの生活やモノづくりに深く関わる分野を通して「創造力」を養い、「想像力」を広げ、目的を持って学び続けることの楽しさを体感してほしいと願っています。
神奈川大学のベンチャー企業『未来環境テクノロジー』では、特別招聘教授でもある田嶋和夫名誉教授が開発した特許技術「三相乳化技術」を用いた界面活性剤フリーの人にも環境にも優しい化粧品を販売しています。大学での研究が実際に社会に役立っている例の一つです。
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